タイトル

終末期がん患者に対する作業療法について考える


プロフィール

〈現職歴〉
専門作業療法士(がん)、認定作業療法士、認知症ケア専門士、認定作業療法士取得選択研修講師

〈学歴〉
平成15年3月 国立善通寺病院附属リハビリテーション学院作業療法学科卒業
平成28年9月 放送大学教養学部卒業
平成31年3月 放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修士課程修了
平成31年4月 川崎医療福祉大学大学院医療技術学研究科リハビリテーション学専攻博士後期課程入学、現在に至る

〈職歴〉
平成15年4月 香川県庁入庁.香川県身体障害者総合リハビリテーションセンター訓練科
平成18年4月 香川県立中央病院リハビリテーション部作業療法科
平成30年4月 香川県立丸亀病院社会復帰推進部作業療法室、現在に至る

〈所属学会〉
日本緩和医療学会、日本認知症ケア学会、日本ボバース研究会、終末期緩和ケア作業療法研究会

〈所属団体〉
日本作業療法士協会、香川県作業療法士会

〈著書〉


講演内容

終末期がん患者は「思いのままに生きる」「他者との繋がりの中で自分らしい人生を締めくくる」等の希望を抱いており1)、OTRは患者の要望に基づき、重要な作業を同定し、支援する2)。しかし終末期がん患者に関わるOTRの8割が自らの介入に自信が持てず、その一因として「OTの役割が不明瞭」「効果が示しづらい」等が明らかとなった3)。緩和ケアチームにおける活動内容4)が各リハ職種の役割としてどの程度当てはまるかを尋ねると、他職種は各リハ職種の役割の差異を認識していない可能性が示唆された5)。OTRが自信を持って終末期がん患者に介入するため、OTの役割を明確にし、患者に負担を掛けずに有効性を評価し4)、他職種に積極的に示していく必要がある。そこで現在、終末期がん患者に対するOTRの実践自己評価尺度の開発に取り組んでいる。当日は参加者の皆様と終末期がん患者のOTについて考える時間としたい。

〈文献〉
1) 濱田由香他:終末期がん患者の希望に関する研究。日本がん看護学会誌16(2)、15-25、
2002
2)池知良昭他:全失語を呈した終末期患者に対する作業療法。OTジャーナル51(11)、1146-1150、2017
3)池知良昭:放送大学大学院修士論文、2020
4)森田達也他:緩和ケアチームの活動内容に関する多施設共同研究。日本ホスピス緩和ケア研究振興財団:ホスピス緩和ケアに関する調査研究報告2010年度調査研究報告
5)Ikechi Y et al: The role of occupationaltherapists in palliative care teams:differences of rehabilitation occupationsexpected by other occupations. Jpn JCompr Rehabil Sci 11,98-101,2020