こちらの講演は学会終了後にオンデマンド配信が予定されています。
Web配信期間(閲覧できる期間):学会終了後~令和7年3月末まで
※参加登録された方はこの期間内のご都合がよい時間にいつでも視聴が可能です。

 

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タイトル

「地域における認知症当事者、ご家族を対象とした支援 ~作業療法の特性を活かす~」


講師

古川 信之 Furukawa Nobuyuki

公益社団法人福岡医療団 千鳥橋病院 作業療法科 主任


プロフィール

〈資格〉
作業療法士(2006年)
バリデーションティーチャー(2024年)

〈学歴〉
鹿児島大学医学部保健学科卒(2006年)

〈職歴〉
2006年 社団法人福岡医療団入職|現職|


講演内容

【はじめに】

OTの特性を活かした認知症当事者、ご家族への支援について報告する。
1つ目は認知症当事者がデイサービスで雑貨を作成し、それを販売する「糸プロジェクト」である。「認知症当事者が働く機会の創出」を目標とする。2つ目は身近な人が認知症かもしれないと思った時に読む書籍「認知症ナビBOOK」の執筆である。「認知症当事者やご家族への初期対応における情報提供」に向けて作成した。

 

【糸プロジェクトについて】

デイサービスを利用する認知症当事者で「働きたい」という要望がある方を対象とし、それぞれの得意な雑貨を作成してもらう。そして、それらをチームメンバーが地域のイベントで販売し、販売収益は利用者に還元する。
プロジェクトは法人外のデイサービス事業所と協力し実施した。厚生労働省が許可した有償ボランティアの仕組みを利用している。約1年活動し、ショッピングモールのイベントやお寺マルシェなどに計4回出店した。デイサービスにおいて認知症当事者が「世話してもらう」というだけでなく「働く」という選択肢を持つ事が出来ている。

 

【認知症ナビBOOKについて】

認知症を疑うサインの見つけ方や相談先の探し方などを案内する書籍を法人外のPTと共同で作成した。認知症は専門家の助言が無ければ、適切なサービスに辿り着く事が難しい場合がある。筆者は認知症疾患医療センターや認知症カフェなどを実際に取材し、それらをどう利用するかをガイドブック形式でまとめた。セミナー等と合わせて広めていく事で、この問題に貢献していきたい。

 

【OTの特性を保険外でも活かす】

筆者は今まで「病院の中で(保険内で)どう活動するか」ばかりを考えていた。しかし、「OTの得意を活かして保険外でも活動出来る」という考えに変わったことで選択肢が増えた。糸プロジェクト、ナビBOOKともにOTの特性を活かす事で生まれた活動である。大会当日は勿論、今後とも「未来のOT活動」について沢山の方とディスカッションしていきたい。