こちらの講演は学会終了後にオンデマンド配信が予定されています。
Web配信期間(閲覧できる期間):学会終了後~令和7年3月末まで
※参加登録された方はこの期間内のご都合がよい時間にいつでも視聴が可能です。
タイトル
「ひきこもり状態にある生きづらさを感じておられる当事者に、作業療法としてできること ―京都府作業療法士会ひきこもり支援OTチームの取り組み―」
講師
児嶋 亮 Kojima Ryo
桜花会クリニック デイケアセンター 室長代行
プロフィール
〈略歴〉
2000年 滋賀医療技術専門学校作業療法科 卒業
2000年 医療法人聖志会 泉州病院 入職
2005年 医療法人桜花会 醍醐病院 入職
2019年 医療法人桜花会 桜花会クリニックデイケアセンター 現在に至る
〈その他活動〉
京都府作業療法士会 ひきこもり支援OTチーム 代表
社会福祉法人ねっこの郷福祉会 理事
京都精神科分野勉強会 執行部
山城地域ひきこもり支援会 コアメンバー
京都精神障害者フットサルクラブ 運営
講演内容
2021年の内閣府調査によると、ひきこもり状態にある方は146万人と推計されました。一概には言えませんが、コロナ禍の影響により4年で30万人増加した計算になります。社会的孤立と孤独が人間関係とメンタルヘルスに与える影響は計り知れません。
ひきこもりは、日本文化や社会構造、人間関係や置かれている状況、病や価値観など、様々な背景要因によって生じる生きづらさに対する、やむを得ない対処行動として理解出来ます。
本講演では「ひきこもり状態にある生きづらさを感じておられる当事者に、作業療法としてできること」をテーマに、医療における支援、OTとしての支援、地域活動、ネットワークなど様々な観点から支援のあり方を検討したいと思います。医療に繋がった対象者への支援に限らず、医療に繋がる前、もしくは医療不信であったとしても、OTをどのように提供するか、についても提案したいと思います。
自他からの否定的な言動によって低下した自尊感情をどう理解し、いかに関わるか。当事者にとって生きやすい社会をどう提案するか。多様で複雑な背景はありながらも、支援のポイントはOTとしての支援に通じています。
ひきこもり支援に限らず、医療の現場から離れ、様々な社会課題に手を伸ばすことには不安と困難を感じます。それを和らげるのに有効なのはOTの知技と、同じ志を持った仲間の存在です。今回の講演を通して、ひきこもりを含む、社会課題に関与するOTが増え、ともに考え、悩み、喜び、共感できる仲間とのつながりが増える一助となれば幸いです。