こちらの講演は機器展示、学会前にオンデマンド配信が予定されています。
Web配信期間(閲覧できる期間):令和7年2月上旬~令和7年3月末まで
※参加登録された方はこの期間内のご都合がよい時間にいつでも視聴が可能です。

 

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タイトル

「片手生活者のQOL向上を目指した自助具開発と3Dプリンタ活用の取り組み」


講師

川口 晋平 Kawaguchi Shinpei

柏芳会 田川新生病院 訪問リハビリテーションセンター 主任


プロフィール

〈略歴〉
2003年 日本大学工学部 建築学科卒業
2006年 ヤマハリビングテック株式会社 退社
2009年 北九州リハビリテーション学院 卒業
2009年 柏芳会 田川新生病院 入職

〈資格〉
2次元CAD利用技術者試験2級


講演内容

isotope(アイソトープ)は、片手生活者のQOL向上を目指して、2年間にわたり3Dプリンタを活用した自助具の開発に取り組んできました。入院中は主に身体機能の改善とADL動作の遂行に焦点が当てられがちですが、片手切断や片麻痺の方々など、退院後に片手生活を余儀なくされる方も多くいらっしゃいます。こうした方々の退院後の生活における困りごとを理解し、実感することが重要です。その解決方法が身体機能の改善のみならず、自助具
の活用という別のアプローチがあることを広く学んでいただきたいと考えています。

この講義では、私が自助具の作成に至ったきっかけや、地域生活者の困りごとにどう対応してきたか、そしてそのアイデアをどのように形にしてきたかについてお話しします。また、学会当日には会場に3Dプリンターや自助具を展示し、参加者が実際に見て触れることで、自助具の重要性を体験していただける機会を提供します。

さらに、アイソトープは、片手で使用可能な生活道具を3Dプリンタで開発し、ECサイトを通じて全国での販売を行い、退院後の困りごとを直接解決する環境を整えています。これに加え、3Dプリンタを活用して自助具を製作できる作業療法士が少ないという課題にも対応するため、オンラインでの「超初心者向けのCAD講習会」を開始しました。今後はCADのスキルを持つセラピストを増やし、退院後の生活をより豊かにし、困りごとで悩む人々の数を減らしていくことを目指しています。身体機能の改善だけでなく、自立した生活が重要視されるこれからの社会において、作業療法士が自助具を作成するスキルを持つことは、職域を広げるとともに、多くの人々のQOL向上につながると確信しています。