こちらの講演は学会前にオンデマンド配信が予定されています。
Web配信期間(閲覧できる期間):令和7年2月上旬~令和7年3月末まで
※参加登録された方はこの期間内のご都合がよい時間にいつでも視聴が可能です。
タイトル
「作業療法士が、作業で紡ぐキャリアの在り方を考える 〜臨床・地域・起業を通して〜」
講師
永島 匡 Nagashima Tasuku
株式会社ジョシュ 代表取締役
講演内容
本邦では、2018年に作業療法の定義が「作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である」と改定された。近年では徐々に作業療法士のキャリアも多様化の兆しをみせている。
キャリアデザインについて考える時に「目標追求的」に自身のキャリアに明確な目標を掲げて、計画的に進んでいくことは一つの成功に向けた型であると考える。しかし、今回講演させて頂く私のキャリアは、偶発的なクライエントとの出会いや、人との縁との中で生まれた目標・計画に向き合いながら、積極的に流されていく、いわゆる「キャリア・ドリフト」的なキャリアを歩んで今に至っていると振り返りながら考える。
人前が苦手だった私は、大学時代に音楽活動を通じて自己変革の機会を得た。しかし、バーンアウトを経験し、その後作業療法士への道を選択する。回復期リハビリテーション病院に就職し、院内外での出会いや学びの中で自動車運転支援班の立ち上げを経験した。その後、在宅分野に転向し、訪問看護ステーション内での地域連携室の立ち上げや、移動・外出支援の事業開発を通じて、個人から地域単位へと支援の範囲を拡大していく機会を得ることが出来た。これらの経験から、医療介護業界の情報連携の課題に着目し、2024年春に株式会社ジョシュを設立し、ICTを活用した新たなサービスで社会課題の解決を目指している。
本講演では、このような私のキャリアの転機をお伝えすることを通じて、目の前の臨床から始まる、作業療法士が作業で紡いでいくキャリアの在り方や、キャリア・トランジッション(節目)について考えていきたい。