タイトル

精神科の作業療法士に必要なこと

 

講演内容

私がこの世界に入ったとき、作業療法士が国家資格となって20数年経っていたが、まだまだ精神科で働く作業療法士の数は少なかった。そして、それからさらに30数年が経ち、保健、医療、福祉の環境はずいぶん変わり、リハビリテーションが取り組みやすくなったと実感している。そこには多くの作業療法士たちの誕生とその活躍があることは否めない事実である。

しかし、過去と現在と比べてあまり変わらないこともたくさんある。その1つが、精神科の作業療法士がアイデンティティを希求し翻弄され苦悩していることである。特に「新人さん」と呼ばれる頃は、その悩みに尽きない。

今回の講演では、「構 Set up」という学会テーマをふまえ、精神科臨床で作業療法士として何が大事だったか、何が役に立ったのか回想し伝えてみたいと思う。

まずは、私自身がアイデンティティを見失い、打ちひしがれたときに助けていただいた多くの先生や諸先輩方からの教えや言葉を紹介したい。そしてその上で得た経験を伝えたい。評価や介入技法、そして理論もとても大事なのは承知しているが、How to話のミクロ的なものよりも、それぞれの作業療法士がそれぞれの構えがもてる「人間力」のようなマクロ的な話をさせていただこうと思う。

今後の臨床で何かの一助のなり、腑に落ちていただければ幸いである。

 

経歴

昭和63年 国立療養所福岡東病院附属リハビリテーション学院 卒業

医療法人桜珠会 可也病院 入職

平成20年 長崎大学医学部保健学科 臨床准教授

平成21年 長崎大学医学部保健学科 臨床教授

平成22年 一般社団法人 福岡県精神科病院協会OT・PT会 会長

平成31年 厚生労働大臣表彰

 

 

講師:小林真司(こばやししんじ)

所属:医療法人桜珠会 可也病院リハビリテーション作業療法科 科長

一般社団法人 福岡県精神科病院協会 OT・PT会 会長