作業療法の源流と未来 / 京極 真


タイトル

「作業療法の源流と未来」


プロフィール

〈現職歴〉
 吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授
 作業療法士、博士(作業療法学)


講演内容

 作業療法の主な源流は道徳療法、アーツアンドクラフト運動、プラグマティズムである。特にプラグマティズムは作業療法の原理の直接の源流であり、作業が人間にとって特別な意味をもつことをはじめて言い当てた哲学である。作業療法の創始者たちが、プラグマティズムから多くの原則を作業療法に継承したことからわかるように、作業療法の源流を理解するためには哲学の理解が欠かせない。作業療法の源流は設計思想が明確である。しかし、作業療法は歴史の荒波にもまれて、一時期その核を失うことになった。

 現代の作業療法は作業中心の実践、クライエント中心の実践、エビデンスに根ざした実践、文化に適応した実践という原則をもつ。特に作業中心
の実践は、作業療法の核を再生するものであり、そこから作業に焦点化した実践と作業に根ざした実践が導出されるランドマークを形成している。そして、それらはクライエント中心の実践、エビデンスに根ざした実践、文化に適応した実践を不可分な関係を形成する。それゆえ、現代においては、いかなる領域で働く作業療法士であっても、作業中心の実践の理解は欠かせない。

 では、未来の作業療法はどのようなものになるだろうか。結論を言えば、それはハイブリッド型の作業療法になるであろうと予測することができる。これは作業療法の歴史をふり返れば、かなりの確度で導き出せることである。もちろん、その道筋は平坦ではない。これからも多くの挑戦と失敗が生みだされるであろう。しかしそれでもなお、私たちはクライエントの利益を最大化するために、ハイブリッド型作業療法の実現に向けて進むほかない。