タイトル

作業療法とエンターテイメントの共通点


プロフィール

〈現職歴〉
作業療法士

〈職歴〉
えんぴつ彫刻家
イラストレーター

〈所属団体〉
FUKUCON
西野亮廣エンタメ研究所


講演内容

「その作業療法、1人で出来ていますか?」この言葉がとても印象強く、改めて作業療法は沢山の方の支援が必要な仕事だと考えています。

初めて長期実習に行った時のこと。作業療法の面接で「何か趣味ややりたい事などありませんか?」と伺った際に「病気してるのにそんな事していいんですか?」と返ってきて驚いたのを覚えています。就職してからもそういう方々は少なくありませんでした。しかし、「やりたいこと」を面接で聞けたとしても、医師や看護師からうまく理解されず、また段りも増え、時間がかかり、「やりたいこと」を支援できない場面が多くありました。同時に医療保険や介護保険、道徳観念の壁など、様々な限界を感じることが増えていきました。そんなことを感じていた頃、一人の芸人さんに出会いました。彼を病院見学に招待したときのこと。知名度は高くない芸人さんでしたが、少しだけユニークな服装をしていたせいか、患者さんが彼に近づいてきました。普段は食事とトイレにしか歩かない人でしたが、ナースコールを押して、自ら歩いてきました。

この時、人の心を動かす作業療法とエンターテイメントが似ているんではないかと感じました。それから私はエンターテイメントの勉強を始め、絵本の個展や講演会、イベント開催など様々なエンターテイメントを勉強し実践していきました。

病気や怪我はできるなら避けて生きていきたいと思いますが、病気や怪我をしたからといって残りの人生を諦めるような場面は見たくありません。これらを減らすための作業療法は直接医療福祉に関わらない人たちも巻き込む必要があると今は思っています。”病気や怪我でも楽しんでいいんだ“という価値観を再構築していきたい。そんな気持ちで私は作業療法をしていきたいと思います。