第25回福岡県作業療法学会

 

学会長 : 鎌田 聡史

(株式会社シダー あおぞらの里 古賀訪問看護ステーション)

まずは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に罹患された方々、そのご家族の皆様には謹んでお見舞い申し上げます。そして現在も最善を尽くして感染対策や診療などに従事している、行政や医療福祉関係者の皆さまに心より敬意を表します。

この度、令和4年2月5日~2月27日に 第25回福岡県作業療法学会をWEB上にて開催させて頂くことになりました。

令和 2 年は新型コロナウイルスの蔓延により、世界、社会、地域の情勢と共に医療福祉を取り巻く環境はそれまでと全く異なるものとなりました。日本では2025年に向けて地域包括ケアシステム構築を推進し、医療・介護の連携や地域住民の自助・互助が少しずつ形となってきた最中でしたが、コロナ禍により医療、介護、地域ネットワークに多くの混乱が生じた年でもありました。

コロナ禍の混乱で様々な場面での『繋がり』が失われつつある現状に対して、新たな『繋がり』を作業療法(作業療法士)が再び結んでいき、さらに強固なものを作り上げていけるように、今学会では主題を『こころをつむぐ 作業療法』としました。現状での医療・介護・地域での作業療法士の活動はもちろんのこと、医療・福祉・その他各領域の専門職の活動を知り、その素晴らしい活動の輪が共鳴しさらに広がっていくような研鑽・議論の機会にしたいと考えております。

また、コロナ禍においても、感染防止に配慮した通いの場の継続や、オンラインを活用した新たな取り組みも始まっております。特別講演ではコロナ禍の自助・互助の新たな展開を紹介し、地域ネットワーク補強の一助としていただきたいと考えております。

コロナ禍であっても、少子高齢化、人口減少、それに伴う社会情勢や社会保障制度の変遷が止まることはなく、それに応じて私たち作業療法士も柔軟に、かつスピード感を持って対応していかないといけないと思います。

作業療法士(作業療法)のアイデンティティーはかねてからの課題であり、不安を持っている若手作業療法士も多いかと思います。私たち自身が求める知識やスキル、それと同時に、社会から私たちに求められている役割・能力、その両面を、しっかりとアンテナを立てて情報を集め、身に付けていく必要があり、そうしていくことで自ずと私たちのアイデンティティーが確立されていくのではないかと考えています。今学会がそのようなきっかけになればと考えております。