タイトル

「私をつくる生き方」


プロフィール

高橋 尚子 Takahashi Shoko

株式会社CREIT 代表

1993年熊本県生まれ。

17歳の時、全日本卓球選手権の帰り道に交通事故に遭い頸髄を損傷。手足の自由を失い「一生車いす生活」と宣告される。 2019年よりバリアフリープロジェクトをスタートし、同年10月にYouTube「しょうこちゃんねる」を開設。車いすでの日常や自身の体験から感じた気づきや想いを発信している。2021年「心のバリアフリーを広めたい」という想いを持った仲間と共に株式会社CREITを設立。情報発信を軸に、賛同いただいた企業との商品開発にも挑戦。「誰かの、何かのきっかけをつくる」を理念に、一人ひとりの胸に心のバリアフリーが宿る世界を目指している。2022年10月、自身初となる著書「生きる」を出版。


講演内容

17歳で突然体の自由を失い車いす生活になって11年。

受け入れられずに「死にたい」と思い続けるどん底の日々から「生きててよかった」と思えるようになるまでの心と体の変化をもとに、これまでとこれからをお話しします。

小学1年生の時から習い始めた卓球にどっぷりハマり、卓球は私の人生の軸となっていた。中学卒業を機に親元を離れて、寮生活をスタート。高校2年生ではインターハイで13位にランクイン。最後の高校総体では、県大会でシングルス・ダブルス・団体のすべての種目で優勝し3冠を達成。卒業後は、東京の大学へ進学することも決まっていた。

そんな矢先、全日本卓球選手権大会の帰り道に交通事故に遭い頸髄を損傷。両手足の自由を失い、大好きな卓球を奪われた。体の自由を失ったことで、夢や希望…何もかもを奪われて生きる意味を見失った私は、次第に「死」を考えるようになる。「どうして生きてしまったんだろう」「こんな体になるくらいだったら死んだ方がよかった」と生きる辛さと将来への不安を感じ、「どうやったら楽に死ねるのだろう」とネットで調べることも増えた。

それでも「死」を選択する勇気はなくて、生きていればいつか「生きててよかった」と思える日が来るんじゃないかな?と、どこかで未来に期待をする自分がいたのも事実。そうやって障害と向き合うことは避けながらも、なんとか1日1日を過ごしてきた。常に「死にたい」と思っていたわけではない。楽しい瞬間もあったし、心から笑っている日もあった。どこか不安定で心の浮き沈みが激しい日々が結構長く続いた。転機は、事故から約5年経った頃。家族や友達の支えを受けて、ようやく前を向く決心をする。

そうして一歩踏み出す勇気を持ったことで、一歩また次の一歩へとつながり、みるみる世界は広がっていった。障害に対する考え方も、自分がどうありたいかも、しっかり私自身と向き合うことができるようになった。

そして今では会社経営、YouTuber、バリアフリー活動家、商品開発、本の出版と多岐にわたり活動をしている。