この度、令和2年2月15、16日、福岡市にあります電気ビル共創館カンファレンスにて第23回福岡県作業療法学会を開催する事となりました。

 

令和最初の福岡県作業療法学会のテーマは

構 Set up 〜その人らしさを描く作業療法のidentity〜」としました。

 

日本人は今、4人に1人が高齢者と言われる時代を生きています。

2025年問題という社会保障と負担のバランスが崩れ、生産人口が減少していく時代、私たちは作業療法士として何が出来るのかを考えてきました。

全ての人が住み慣れた地域で出来る限り、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることが出来るよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が包括的に提供される事を目的とした地域包括ケアシステムの構築が今進んでいます。

また作業療法士は認知症対策や総合支援事業への参画などにも関わり、作業療法士の職場は病院、施設、デイサービス、訪問など多岐に渡り、就労支援や就学・復学支援、学校教育などの分野でも作業療法士が関わる場面は増えています。

加えて、人口減少社会の中で高齢者や障害を持たれた方の社会参加、将来を担う子どもの健やかな成長、年齢や障害に関係なく自己実現できる社会が望まれている今、作業療法士の役割は大きく多様性のあるものへと変化してきています。

 

このように作業療法は様々な場面で力を発揮する事が出来る反面、「作業療法士とは何をする仕事ですか?」と聞かれた際に、その守備範囲の広さからどのように答えたらよいのか戸惑う若手作業療法士も少なくないように思います。

そもそも作業療法ではクライアントの要望を過去の経験、心身の状態に合わせ、その人らしい生活を一緒に描いてきました。

人口減少社会を目前にこれからを担っていく若い作業療法士たちが作業療法の中核を問われた時、その答えに戸惑わないように、今一度、作業療法の原点に立ち返り、“その人らしさを描く作業療法のidentity”を見つめ直す時期ではないかと考えます。

 

そこで、今回は作業療法士が広く県民に役立つ存在となるため、資格を持って働く意味、その心構えをもう一度確認できる学会を企画いたしました。

様々な場面で働く先輩作業療法士達にその分野での作業療法士としての心構えを示して頂き、同じ分野で働く若い作業療法士達と働く意味や覚悟を共有し、若い作業療法士達に新たな学びを吸収してほしい。

クライアントの人生に向き合う覚悟を持ってほしい。

今回はそう言った意味も込めて、学会のテーマを「構 Set up」としました。

資格を持って働く心構え、作業療法士としての心構え、その分野で働く心構えなどを今一度、振り返りこれから作業療法が広く地域、県民に貢献出来るよう未来に向けた足場固めをしたいと思います。

 

何卒、趣旨にご賛同いただける皆さまのご参加をお待ちしております。

 

第23回福岡県作業療法学会

学会長 黒田 隆之