タイトル
「作業に根ざした実践2.0(OBP2.0)入門」
質疑応答
プロフィール
寺岡 睦
吉備国際大学 保健医療福祉学部 作業療法学科 講師
認定作業療法士
〈現職歴〉
吉備国際大学保健医療福祉学部作業療法学科講師、作業療法士、認定作業療法士
〈略歴〉
1989年11月高知県生まれ。博士(保健学)、作業療法士、認定作業療法士。吉備国際大学大学院保健科学研究科保健科学専攻博士(後期)課程修了。現在、吉備国際大学保健医療福祉学部作業療法学科講師。学部生時代に、作業に根ざした実践の魅力と課題に気づき、OBP2.0という新しい作業療法理論の着想に至った。臨床では身体障害領域の作業療法に取り組み、医学モデルと作業モデルの両立の重要性を体感し、ハイブリッド型作業療法理論としてOBP2.0を構築していった。OBP2.0は信念対立解明アプローチという意見の対立を解く哲学的方法論を中核におくため、研究は作業療法と信念対立を両睨みにして推進している。趣味は、読書。研究論文、著書は多数あり。
講演内容
皆さんは実践で、以下のような経験をしたことがありますか?「クライエントの支援方法をめぐり、チーム内で意見の相違がある」、「作業療法士として実践していることに自信が持てず、迷いがありながらクライエントに向き合っている」。こうったことに心当たりがありましたら、OBP2.0が解決の助けになるかもしれません。
OBP2.0とは、作業療法の専門性を発揮しながら多職種連携を同時に進める理論です。この理論の特徴は、作業療法士が対象とする全ての人に実行できます。作業療法の専門性を発揮する実践のポイントは、作業機能障害の評価と介入にあります。作業機能障害とは、生活行為(作業)が適切に行えていない状態です。例えば、クライエントは障害を持ったことにより日々の生活の中で身体の不自由さを感じ、気持ちが落ち込み何もやる気が起きない、などがあります。こういった作業機能障害を放置しておくと、健康と幸福に悪影響を及ぼします。作業機能障害の分類は様々ありますが、OBP2.0では作業不均衡、作業剥奪、作業疎外、作業周縁化の4種類に整理しています。作業機能障害の評価と介入は作業療法士が存在するための生命線です。今回は、明日からの実践に即活用出来るような作業機能障害の評価と介入のポイントを話します。
多職種連携を進める実践のポイントは、信念対立の解明と職場マネジメントにあります。信念対立とは、2つ以上の考え方や感じ方、やり方がせめぎあう状態です。例えば、作業療法士はOBPを行いたいと感じているが、職場の雰囲気としてそれが合わず、上司にも注意され悩みを感じている、などがあります。信念対立があることにより行動が制限されてしまい、より良い実践が行えません。こうした信念対立は信念対立解明アプローチで対処します。信念対立解明アプローチは信念対立構造を理解し破壊する方法です。それによりOBP2.0が行いやすくなる土壌を作ります。今回は、信念対立の解明の仕方や他者への働きかけ方をお話しします。 最後に、このOBP2.0の考え方を習得したいと感じている人は、「OBP2.0リーズニング学習支援ツール」をダウンロードしてください。これは私たちが開発した「無料」で使えるアプリケーションであり、OBP2.0に根ざしたプロフェッショナルリーズニングを支援するものです。Microsoft ExcelがあればWindowsでもMacでも動きます。関心がある方は、右下のQRコードからアクセスしてください。皆さんの実践がより良いものになることを願っています。
おすすめ書籍
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- 言語 : 日本語
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- ISBN-13 : 978-4758320290